悲しい噂
窓際にある、彼にもらったオレンジ色の薔薇が揺らぐ。ベッドに腰掛けぼんやりと眺めながら、最近耳にする噂を思い出す。 恋愛にはつきものの、悲しい噂。 彼が他の人と会っている、という噂。 同情と好奇に満ちた目で、伝えてくる人々。あなた達の玩具になるほど、私の気持ちは安っぽいものじゃない。 平気な振りをすればするほど、惨めな気持ちになるけれど。強がってみせる。 でも不思議。すぐに浮かんだ顔は他の誰でもない。私の姉さんの顔。 それは、ずっと感じていたこと。三人で会っている時に、姉さんの瞳は彼だけを見てた。あの頃と同じ、恋をしている色を浮かべて。何一つ変わらない、変わっていない。 だけど、姉さんを責めてたりする気持ちは、少しも無い。だって姉さんは、彼に恋をしているだけ。今も昔も何一つ変わらず。そして私と同じように。 人を愛することに、決まりなんて何も無い。私が何も知らなければ、知らない振りをしていればいいだけ。どんな風にしていつも通りにすればいいか、それだけを考えればいいだけ。 私の中で解決することだから。 だから、心の中で決めている。 これからも彼を愛していくと。 そう信じていれば、この恋は続いていくと 窓際にある、彼にもらったオレンジ色の薔薇が揺らぐ。 窓が硬く閉ざされた、部屋の中で。 |
・あとがき・ RP3開催時のペーパーに掲載したSS。 タイトルと内容を見て気がつかれた方もいらっしゃるかもしれません。この作品は、古内東子さんの曲(タイトル:悲しい噂 アルバム「恋」収録)を使わせていただきました。 聞いていて、あまりにも茜にぴったりはまってしまったので。恋には良くある話なのか…… ちなみに。オレンジ色の薔薇の花言葉は、「信頼」「絆」。 Webでの見せ方は、これから研究していきます。 |